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2006年11月28日 (火)

ハチの時11

Hachi111
動物保護センターからの帰り道、次女はハチをだっこし続けた。
交代しろ、とせがむ長女に、かたくなに「やだ」、繰り返して、多摩堤を歩いてゆく。
「重くて途中でめげるから、そんとき替わればいいじゃない」
しかし、彼女は数㎞の道のりをハチを抱いたまま歩き通したのであった。

この絵をみて姉妹は「こんなに大きくなかったよ」「だってオーバーオールの胸の中に入れてきたんだもん」
と言っていた。
こんな感じが正しいようだ。

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2006年11月26日 (日)

ハチの時10

Hachi10
泣き疲れた次女は、座り込んだまま寝入ってしまった。
この一週間、2時間おきの水分補給を欠かさないよう、寝たような寝ないような夜を過ごして、朝は学校へ行く、という生活を続けていた。
このまま倒れるように24時間近く眠ることになる。

夜、話しを聞きつけた自転車仲間が、小一時間かけてやってきてくれた。
明け方までハチと過ごした思い出話に花を咲かせる。
思いがけず、お通夜のようなことになった。
ハチと一緒に夏のキャンプを過ごし、いつもハチと遊んでくれたこの人ことをハチも大好きだった。
寄合酒のときなど、玄関が開く前に、音だけで彼だとわかって飛び出していくくらいだった。

次女はこんこんと眠っていて、その訪問も知らなかった。

2006年11月24日 (金)

ハチの時09

ハチの時が止まってしまった。
Hachi91
「ハチの舌が急に紫色になった!」
仕事部屋に長女が飛び込んできた。

姉妹は、前々から予約を入れ楽しみにしていた美術館行きを取りやめて、ハチの面倒を見ていた。

急いでハチのところへ。
次女に抱かれたハチは息をしていない。
胸に耳をあてると、心臓はまだコトコトと動いている。
長女が、僕が、鼻から息を吹き込んでみる。
心臓の音がだんだん小さくなった。
腕をさすっている音にかき消されてしまうくらい小さくなって、止まった。
Hachi92
一番一番大好きだった次女の腕の中で、ハチの時は止まってしまった。
まるで眠っているような、おだやかな顔で、逝ってしまった。

ハチの時は止まってしまったけれど、ハチと過ごしてきた時を遡ることは出来る。
素敵な時間をありがとうハチ。

ハチの時08

Hachi08
それにしても、元気がない。
「あの子は病気なんですか」、係員に聞くと、
「いえ、もう2度も戻されているので嫌になっているのかもしれません」
「二度も、なんで?」
「顔の模様が頭の後ろまで分かれているでしょう、ああいう顔の模様のことを『八割れ』というんです。あれが最後まで割れていなくて、どこかでくっついていれば、縁起がいい柄、になるのですけど、割れきってしまっているとそこから運が逃げてゆくといって昔の人は嫌うんですよね。もらわれていった家にお年寄りがいて「縁起が悪い柄だから返してこい」となって、それが続いてしまったんです」
「そんな理由で、戻されたんですか。二度も」
まあ、確かに運がついていないらしい。

お願いしてケージから出してもらう。
抱いてみる。
「ハチ割れだからハチだな」
こうして、ハチは我が家の一員になった。

2006年11月22日 (水)

ハチの時07

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夕食をとっていると、急にハチが苦しそうな声を出した。
ハッとしてふり返ると、ネコがお腹の上でくつろいでいるではないですか……あのなあ、ネコを近づけないようにしような。
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Hachi073

夜半、今度は本当に苦しそうにする。
次女が膝にのせ、姉妹でさすってやる。

明け方、添い寝していた次女が「なんだかノドのあたりに水がたまっているみたいな音がして苦しそう」、と起こしに来る。
痰が絡んでいるらしい、起こしてやるとグッと下がった。
水をやるとドッと便が出た。夕べ流動食を食べているし、ブドウ糖入りの水も飲んでいるので、出るものが出るのは当たり前なのだけれど、ドッとでるのは嫌だ。臨終時、人でも獣でも体の中をきれいにするためなのか便がドッと出ることがある。
少し呼吸が楽になったらしい。
もう夜が明ける。こたつを引っ張ってきて、ハチの枕元で横になる。

ハチの時06

Hachi06
「飼うなら雑種」
子供の頃、飼っていた雑種の犬がとても賢く、いつも一緒に遊び、学校の送り迎えまでしてくれた(この犬にはかわいそうなことをしてしまった。けど、その話しはまた今度)。
それに比べて、その後飼った純血種のあまりの馬鹿さにがっかりしたものだった。
昔と違い、近所に犬がゴロゴロといて、始終、子犬の里親探しをしていたり、山だの海だのに捨てに行っていた時代とは違い、雑種の子犬を見かけることは少なかった。

当時はインターネットも普及していなくて、子犬を探そうにもどうしていいかわからない。
ネコがお世話になっている獣医さんに聞いても、「ネコはいるけど子犬はね」とのこと。保護センターに行ってみてはどうかと勧められる。都の保護センターが多摩川と浅川の合流点にあるという。

休みの日に家族総出で出向いてみた。
今は、保護される子猫・子犬の数がグッと減って(成犬・成猫は増えているそうです、腹立つなあ)保護センターから犬やネコを引き取るには講習を受けたり、面接を受けた上、抽選で、なんて厳しいことになっているが、あの頃は保護件数が多かったためだろう、犬が飼える環境であることを確認すると、すぐに子犬たちのケージに案内をしてくれた。
近づくとケージの中の子犬たちがいっせいに走り寄ってきて、キャンキャンアンアンとアピールする。どの子もコロコロしていて可愛い。

ケージの奥に、丸いブチある白犬がいた。
ケージの奥でまあるくなり、こちらを振り向きもしない。
「あの子がいいな」、なんとなくそう思った。

2006年11月21日 (火)

ハチの時05

Hachi05
ハチの夕食は家族総出。
相方がハチを支え、次女が流動食、ブドウ糖、すりつぶした犬ご飯、ミルクセーキなど、あの手この手で食べるようし向ける。
長女は、ハチの気をひくののだ、といって踊ってみせる。ハチは呆然と眺めていたが、確かに気を取られていつのまにやら食物を飲み下している。一度味わえば、食欲も湧き、胃袋も動き出したようでそれなりに食べてくれた。
踊りにつられて、もう一匹の犬・チコやネコ・チャト、ポケ、フーたちも集まってきた。
深刻な事態なのに、あまり深刻な場面にならないなあ。

翌朝、便も出るようになった。
今日は天気もいい。

ハチの時04

Hachi
ハチがやってきたのは15年前の春。

数年間住んでいた借家が取り壊されることになり、引っ越し先を探さなくてはならなくなった。
この借家は戦前に建てられ、大家さんのおばちゃんが使っていた離れを改装したもので、建物自体に限界が来ており、母屋の改築に合わせて取り壊されるというのも致し方のないことだった。

4人暮らしの我が家には、大家さん公認のもと二匹のネコが同居していて(その前からネコを飼っていたので、この家も「ネコを飼うことが出来る」ことを条件に探したものだった)、次の家もネコを飼うことが出来、かつ、一軒家で育ったため、家の中で跳んだりはねたりすることが当たり前の遊び盛りの姉妹のことも考えると(ネコが先かい)、次も一軒家にしたかった。

もともとこの家を探してくれた不動産屋に相談したところ、「どんなところでもいいですか」という条件で紹介してくれたのが、半ば廃屋化した、元は医院、その後アパートとして使っていた建物まるまる一軒だった。

風呂がない、庭は草ぼうぼう、窓ガラスはあちこち割れているし、古井戸がぽっかり口をあけていたり、一部の屋根に穴が開いてはいたものの、手入れをすれば十分に住むことが出来る。駅からは1分、二階建てで部屋数は多く、各部屋にガス水道完備、玄関は待合室になっていたため、板張りで広く、趣味で買い集めた自転車を置くのにもってこいだ。
上の娘などは、見いった日に、そこらに落ちているほうきを使って、せっせっと掃除をはじめるほど気に入っていた。

この家も私たちが最後の住人になることは確実で、もちろんネコはOK。狭いながらも庭があり、犬も構いませんよ、とのこと。交渉の末、かなり家賃を値切ってここに住むことする。

かくして、我が家は子犬探しを始めることになる。

2006年11月20日 (月)

ハチの時03

Hachi03
ミルクセーキを作る。
飲んでくれる。デビフをつぶしたものも少し食べる(すり鉢ですった方がいいな)。
クスリが効いたのかも。

体のあちこちからウミがでていたのも、気持少なくなったようだ。

ハチの時02

Hachi02
水を飲む力もなくなり、注射器で水をあたえてやる。
ああ、飲んでくれる。

医者に連れて行く。
特に悪いところはみつからない(前々から悪いところ以外は)。
悪いところが見つからないから、手の施しようがない。
自然に弱っているんだ。

昨夜は姉妹が付き添って寝ていた。
座布団に毛布じゃ、君たちが風邪をひくぜ。

今朝は、吸い口から水を飲み、デビフの缶詰の煮こごりのところを少し食べた。
ハチは風邪をひきやすい。
湯たんぽをいれて、火鉢に炭を入れて、鉄瓶が松風の音を立てている。

来月、下の娘は二十歳になる。
写真店で記念写真を撮る予約を入れてある。
ハチも一緒に写ることになっている。

ハチの時

Hachi01

ハチが倒れた。
六月の中頃、家の前でのひなたぼっこ中、よその犬にうなっている間にパタッと倒れた。
左半身不随との診察結果。
でも、そのときは治療が功を奏して、なんとか持ち直した。
オムツをすることにはなってしまったのだけれど。

そして、先週末。
水を飲んでいるときに、ドタリ、と横倒しに倒れた。
それから、自力で起きあがることが出来なくなった。

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